活動報告@東京都杉並区

3月1日(金)杉並区役所会議室にて、超党派杉並区動物議員連盟の勉強会で杉並区におけるペット同行避難の現状を、同区在住のペット災害危機管理士®古川圭紀1級講師がお話させて頂きました。

13名の各党の皆さんが真剣に話しを聞いてくださり、現状のままではペットを同行して震災救援所へ避難する事は飼い主にとってもペットにとっても厳しいとの認識を持って頂けたように思います。

区内65カ所の震災救援所(地震救援所=避難所(杉並区は地震時と水害時は開かれる避難所が違う。))1カ所だけ保育室、その他は全て小中学校でそもそも動物を校舎内に入れる事は考えられておりません。ペット飼育管理場所を既に想定している震災救援所もありますが、そのほとんどが校庭の隅を想定しています。

区では、ペット同行避難した飼い主は飼い主の会を立ち上げ、飼い主同士が協力しながらペットの飼育管理の運営をする事と決めています。それに対して、震災救援所が行うペット同行避難に対する初動は、飼い主の会へ初動ボックスを渡す事とペット飼育管理場所を指示する事。飼育管理場所の設営や運営は飼い主の会が行わなければいけないのですが、双方への啓発が進んでいない為、発災時はかなりの混乱が予想されます。

飼い主へは自助・共助の大切さとペット同行避難した時にやらなければいけない事を啓発し、震災救援所にはペット同行避難の受け入れ体制を整えるべく啓発を進めなければいけませんが、現状では震災救援所へのペット同行避難はかなり厳しい事になると感じます。

ペット同行避難は人の為の支援ですが、ペットが震災救援所にいる事が原因でトラブルや苦情が起こる可能性があります。

そもそも、杉並区ではペットは室内飼育を推奨している為、外飼いしている犬はほぼ見かける事が無い環境です。ですので、ペット同行避難の啓発活動をする中で、発災時にペット同行避難した場合のペット飼育管理場所が校庭の隅を想定していると知った飼い主は「ペットを連れて震災救援所には避難したくない」と言い、中でも猫の飼い主は「震災救援所に連れて行くより外に放す」と言う飼い主が少なくありません。

これらの事を鑑みて、今回の動物議連勉強会では、飼い主が安心してペットを連れて避難できる実現可能なペット同行避難者の為の自主避難所が作れる場所はないか、議員お一人お一人のご地元で是非ペット同行避難について話し合いをしてみてくださいとご提案させて頂きました。

いざという時にペットと安心して避難出来る場所があるからこそ、ペット同行避難の目的である《人命第一》《放浪ペットによる事故や環境悪化の防止と公衆衛生の確保》が可能になり、飼い主にとって動物愛護の気持ちも維持出来るのではないかと考えます。 「人と動物の共生できる杉並区」の実現を目指して、今後も啓発を続けて行く所存です。